蜂の子の旬はいつ?蜂の子の生態を知ろう
信州や九州の山間部など、海のない地域で昔から貴重なたんぱく源とされてきた“蜂の子”。近年研究が進められており、耳鳴りや難聴への効果や美肌効果などが明らかにされています。
そんな蜂の子ですが、市販にあまり出回らないことから分かる通り、年中とれるものではありません。
蜂の子の旬の時期はいつなのか?
蜂の子の生態を踏まえつつご紹介していきます。
蜂の子の旬はいつ?
現在も蜂の子をとって食べる習慣がある長野の一部では、夏から秋にかけて“地蜂とり”が行われています。地蜂とりとは、1匹の蜂に目印(真綿)つきのエサをくわえさせ、それを追いかけて蜂の巣を探しあて収穫することです。
蜂の巣を収穫した後、そこから蜂の子を巣から取り出し食用にします。
ただ、夏にとれた巣はすぐには扱いません。
なぜなら栄養満点の蜂の子の旬は“秋”だからです。
夏にとれた巣はそのまま自宅で養殖され、秋になってから食用にされます。
なぜ秋になってから蜂の子を採取するのか、その理由を次の章でお伝えしていきます。
蜂の子がとれる時期が決まっているそのワケとは
蜂の子の旬がなぜ秋なのかを知るには、蜂の生態を知る必要があります。ここからは蜂の子製品に最も多く使われるスズメバチの生態を、夏と秋に分けて見ていきましょう。
スズメバチの生態(夏)
たくさんの働き蜂が材料を集めてきて大きな巣を作る、というイメージがあるかもしれませんが、実は蜂の巣は、最初は女王蜂がたった一匹で作り始めるものなのです。それが4~5月頃。
冬を越す前にいた巣でオスと配偶し、その時に体の中に溜めていた卵をつくり始めたばかりの小さな巣で産卵します。
それが働き蜂となるわけですね。
6~7月の段階ではまだ蜂の数が多くないために、蜂の巣もやや小ぶりです。
女王蜂も巣作りから産卵にやっと専念できるようになった頃ですから、蜂の子も多くありません。
スズメバチの生態(秋)
7~8月にかけて働き蜂が多くなり、巣も大きくなり始めます。それに比例するように幼虫が育つ場所も増え、蜂の子も増加。
そして9月に入る頃には働き蜂の数も最大になり、環境の整った巣の中でたくさんの餌を与えられた蜂の子は旬を迎えるのです。
旬の蜂の子を試してみよう!
蜂の子は夏から少しずつ増えていき、秋に旬を迎えます。生の蜂の子を食べる機会がある人は、ぜひそのタイミングで試してみてください。
「生は手に入らない」「蜂の子を自分で調理できない」という人は、市販の佃煮もおすすめ。
蜂の子の旬は秋ですが、佃煮になったものであれば信州の道の駅などには年間を通して販売されています(販売されていない店舗や、品切れの場合もあり)。
立ち寄った際にはチェックしてみましょう。