蜂の子に毒はある?
長野や岐阜などでは今でも食用にされることの多い“蜂の子”。生活習慣病予防、スタミナアップ、血行促進、耳鳴りや難聴の改善など様々な効果があることが分かっています。
ただ、蜂の子というと気になるのが毒の問題ですね。
蜂の子を食べて危険はないのか、そもそも蜂の毒はどんな成分からできているのか、食生活に取り入れる前にチェックしていきましょう。
蜂の子に毒は含まれる?
結論からお伝えすると、蜂の子に危険な毒は含まれていません。蜂の毒は毒嚢(どくのう)という袋のようなところに溜め込まれており、獲物を攻撃する時などに針から分泌されます。
この針は元々“産卵管”という卵を産むための生殖機能で、それが変化して攻撃用の針となります。
蜂の幼虫や初期のサナギにはまだこういった生殖機能もなく、獲物をとったり敵を攻撃することもありませんから当然体内では毒をつくる必要がありません。
つまり、蜂の子は毒による影響はなく、安心して食べることができるのです。
蜂毒ってそもそも何だろう?
蜂の毒がなぜ危険と言われているのか、詳しく知っていますか?それは毒に痛みや痒み、アレルギーなどを引き起こす成分が含まれているからです。
蜂の毒はどんな成分でできているのか、少し具体的に見ていきましょう。
蜂毒の成分
・アミン酸ヒスタミン、ドーパミン、アドレナリンなど。
皮膚の痛みや痒みを引き起こす物質です。
・低分子ペプチド
蜂毒キニン、MCDペプチド、アパミンなど。
赤血球の破壊や血圧の低下を引き起こし、痛みやアレルギーの原因になります。
・酵素
ホスホリパーゼ、ヒアルロニターゼ、プロテアーゼなど。
体にある組織の機能低下や、赤血球を破壊する働きがあり、アレルギーの原因になります。
この他にもアミノ酸や糖類などを含みます。
これらの成分を最も多く含むのはスズメバチです。
またオオスズメバチは神経に作用する毒マンダラトキシンを含み、刺されると、めまい、しびれ、意識障害などを引き起こす可能性があります。
食用なら蜂毒は無害
上記に挙げた成分が直接皮膚や血管に作用するのは危険ですが、口から摂取して腸から吸収される場合には危険はありません。スズメバチを生きたまま焼酎に漬けた“スズメバチ焼酎”は、飲むことで分泌された毒による健康効果が期待できると言われているほどです。
仮に蜂の子に微量の毒が含まれていたとしても、食事として摂取する分には問題ないと言えます。
蜂の子は安心して食べることができる健康食品
蜂の子は蜂の幼虫やサナギですが、成虫の蜂のように毒を持っていません。持っていたとしても、腸から吸収される程度であれば体に害はありません。
健康効果の高い食事として、安心して食べることができます。
ただ、蜂の子はエサとして昆虫などを食べますから、甲殻アレルギーを持っている人は注意を!
安全に摂取して、健康な体づくりをしていきましょう。