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蜂の子と毒

蜂毒と聞けば恐いイメージがありますが、蜂の子には毒がありません。また成虫の持つ蜂毒は、直接刺された場合には毒となりますが、食用として食べると無害です。実際、蜂毒にはさまざまな効能があることも研究により少しずつ明らかになってきています。

蜂の子と毒

蜂の子は古くから良質のたんぱく源として地方の山間部を中心に食され、郷土料理として現在も親しまれ続けています。

蜂の子はスズメバチ、アシナガバチ、オオスズメバチ、ミツバチ、クロスズメバチなどの蜂の幼虫とさなぎを合わせた総称で、心配される毒はなく、安心して食べることができます。ただし蜂アレルギーや食物アレルギーのある方は食べないように注意が必要です。

蜂毒の利用

スズメバチ酒

蜂毒は皮膚に直接刺されると毒となりますが、食用にすると毒にはなりません。宮崎県や熊本県の一部地域では、スズメバチの成虫を生きたまま焼酎に漬けて寝かせたお酒が疲労回復、高血圧、美肌、血行促進、滋養強壮、殺菌解毒、利尿促進、鎮痛、自律神経失調症、リウマチの症状の改善などに効くとして利用されています。これは毒の有効成分を利用する民間療法のひとつです。

生きたままの蜂はエキス(毒)を沢山出すので、その分、効能も多くなるといわれています。スズメバチ酒は毒の味といわれる塩味で、やや癖があり薬用酒のような風味があります。通販でも販売されています。

このスズメバチ酒は虫さされやかゆみ止めとしても有効で、水で薄めて患部に塗るとよいといわれています。

蜂毒の成分

蜂毒はアミノ酸中心の化合物で、毒嚢という袋に蓄えられています。成分は主にアミン類、ペプチド類、酵素類、糖類、ポリアミン類などから構成されますが、蜂の種類により多少の違いがあります。

ノルアドレナリン、ドーパミン、ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリンなどのアミン類が刺された時の痛み、かゆみを引き起こし、ペプチド類、酵素類が赤血球を破壊し、アレルギー症状の原因となります。

毒を多く持つ蜂

刺された時の痛みをひき起こすアミン類を一番多く含むのがスズメバチで、中でもオオスズメバチは神経毒のマンダラトキシンを含んでいます。毒の量ではスズメバチが最も多く、毒の強さではセイヨウミツバチが最も強くなります。

刺す蜂と刺さない蜂

蜂の毒針は産卵管が変化したもので、刺すのは雌の蜂になります。人を刺す蜂はミツバチ、スズメバチ、アシナガバチ、マルハナバチなどの細腰亜目類の蜂で、 胸の部分とお腹の部分の間にくびれがある形をしています。

胸の部分とお腹の部分にくびれがない広腰亜目類のハバチ、キバチ、クキバチなどは人を刺しません。

ミツバチは人を刺すと針が抜ける時に内臓も壊れてしまうので、一度刺すと死んでしまいます。これに対し、アシナガバチ、スズメバチは何度でも人を刺すことができます。

蜂針療法

セイヨウミツバチの針を使った蜂針療法が紀元前2000年頃からエジプトやバビロニアで行われていたとされ、中性ヨーロッパでもリウマチの治療などに使われていたという説もあります。

蜂針療法は蜂毒の有効成分を利用し 、ツボに針を刺してさまざまな病気の症状を改善する民間療法です。現代では中国、日本をはじめ世界の各地で蜂針療法が行われています。

蜂毒への期待

近年の研究により、スズメバチの毒は不整脈瘤に効果がある可能性が期待されています。スズメバチの毒に含まれているいくつもの化合物が毛細血管を広げ、心臓の働きを強化する作用があるとも考えられています。蜂毒についてはまだ解明されていない部分も多くあり、今後の研究結果が待たれます。

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